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通夜へのご参列をお考えの方へ

東信の通夜

関東地区との違いについて
長野県東信・佐久・南佐久地区では、通夜は近親者のみで営まれることが多く、関東地方のように大勢の弔問客が訪れることは少ないのが一般的です。これは、地域においての通夜の位置づけが「近親者や家族と、故人との最期の親密な時間」と考えられているからです。
通夜で香典を包むかどうか。
お香典も通夜の折に持参するのではなく、葬儀告別式の会場で渡すという形式が一般的です。通夜で何かお持ちになる場合、ご関係にもよりますが、お香やお花、お供え物などをお持ちするのがよいかもしれません。

骨葬について(火葬の習慣)

骨葬について

火葬時間の違いについて
都市部などでは、葬儀・告別式を済ませてから出棺、火葬を行う形式が全国的に広く知られていますが、東信地区においては「骨葬」という風習が一般的であり、お通夜の翌日、火葬を済ませてから葬儀・告別式が営まれます。そのため、火葬時間は午前中の早い時間になる事が多いです。
最期のお別れについての注記
上記のような火葬時間の為、お越しになる時間によっては、故人との最期のご面会が難しくなる事があります。
家族への確認をおこない、ご関係の方はその点に留意し、お越し下さい。

告別式へのご会葬について(佐久時間)

告別式について

告別式開式時間の違いについて
長野県佐久地域においては、告別式が葬儀予定時刻におよそ30分ほど前倒しておこなわれます。

例えば、13:00からの葬儀式の場合、告別式は12:30頃から開式されます。

なお、13:00からの葬儀式の予定で、13:00ちょうどにお越しになった際に、告別式が既に終わっているということもありますので、会葬に伺う際には時間に十分ご注意ください。

また、全国的には葬儀式に同席し、読経の最中、ご家族へ挨拶、焼香などをおこなうのが一般的ですが、葬儀式と告別式が明確に区別されておこなわれます。

告別式の際には宗教者は式場にはおらず、家族との挨拶、また祭壇への焼香などをおこない、退席するのが一般的です。

※神葬祭、キリスト教などではまた違った形の告別式になることがあります。

生活改善方式について
地域で、「生活改善方式」や「公民館方式」などと呼ばれる佐久地域内の葬儀についての指針があります。

告別式の場において生活改善方式に則り、華美になりすぎない、香典や供物、花輪などの出し方が指導されています。

なお、生活改善方式では告別式に1000円を包むものとされています。
喪主はその指導に則り、半返しとして500円ぐらいの品物を用意されるのが通例です。

現在においてもその指導の下で葬儀を執り行うのが一般的ですが、1000円という金額を包み合うのは一般に地域内に住んでいる方向けのものです。地域で生活する方々への負担をお互いに減らすという主旨のため、地域外の方の香典金額としては、付き合いにも因りますが一般的に3000円~5000円ぐらいを包んでこられる方が多い印象です。

なお、過分に頂き過ぎた場合などは、後日後返しとしてお礼の品をお届けする形で義理を欠かないようにされています。

御会食(灰寄せ)について

会食(灰寄せ)について

佐久・南佐久地区の会食習慣
一般に御葬儀の際には、ご関係の方や、ご会葬の方々にお食事のもてなしをする習慣がありますが、佐久・南佐久地区においては、特に関係の深かった方々や親戚縁者の方々のみがお食事の席につかれます。
出席するかどうかは、あらかじめ家族から通知があり、その知らせを受けた方が席へとつきます。そのため、席順表などが用意され、着席される場所もあらかじめ決まっている事が多いようです。
灰寄席(御会食)出席者の受付について
一般の会葬者の方とは、受付が分かれているのが一般的です。
灰寄席への出席者の方は、そのための受付で香典等を出す形となります。
受付付近に表記されている事が多いので、確認をされてから出される事をお奨めいたします。

お供え物、供物、お花などについて

お供え物・供物について

地域での供物文化について
2000年以前は、一般に造花などを環状に飾った花輪(はなわ)などを飾る事が多く見られましたが、近年は、生花(せいか)を祭壇の近くへと飾る事が多くなってきています。故人や家族、ご関係への方へご供物を出される場合、会社関係、ご友人の方などは、生花(せいか)を葬儀式場へと盛花として出されることをお奨めいたします。